君は残酷な幸福を乞う
「え///は、恥ずかしいから、遠慮します……」
「そ?
俺はしたいなぁ。若葉にキスしたのは、三週間も前だし……」
「でも、今日は一緒にいれるんでしょ?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ…家に帰ってからがいいな!」
「わかった」

ゆっくり次回作などが流れてるテレビを見ていると、琉軌が頭を撫でだした。
そして、頬、口唇に指が移動していく。

「何?」
「やっぱり…したいなぁ。キス」
「ダメだよ」
「三週間は長いよ?それにこんな風に触れてると、我慢できなくなる…」
「でも、恥ずかしい…人がいるし……」
「若葉のお願い何でも叶えてあげるし、嫌がる事はしない。でも…キス、嫌じゃないでしょ?むしろしてほしいって顔してる。
だから、させて?」

「琉……ンンン……」
口唇が重なり、頭がボーッとしてくる若葉。
琉軌のジャケットを握りしめた。

「ん。気持ちよかった!」
口元で囁いた、琉軌だった。

時間になり、映画を見て再び車に乗り込んだ。

マンションに帰り着いた二人。
ここは琉軌のマンションで、若葉も住んでいる。
一応同棲をしているのだが、普段忙しい琉軌は不定期にしか帰ってこない。

中では既に部下が、夕食を準備していた。
ソファに並んで座る。
二人で食べる時は、ソファに並んで座り食べる二人。
若葉が一緒にいれる時は、できる限り離れたくないと言ったからだ。

ちなみに同棲も、一緒に住みたいと若葉がお願いしたから。

琉軌は、若葉のお願いを何でも叶えてくれる。
何でも…………

でも、叶えてくれないお願いもある。
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