君は残酷な幸福を乞う
リビングまで抱きかかえられ、移動してソファにゆっくり下ろされた。
既にテーブルに豪華な夕食が並んでいる。

「「いただきます」」
食べ始めてすぐ、琉軌は頬杖をして若葉を見つめた。

「何?あんま、見ないで?食べてるとこ見られるの恥ずかしい……!」
「ねぇ若葉…もう、甘えてくれないの?」
「え?」
「食べさせて?とか、言ってよ!」
「うーん。さすがに恥ずかしいの。
食べさせてもらうの」
「残念…!」
そこで琉軌も食べ始めた。

「………じゃあ、デートしたいな」
「ん?どこで?」
「普通のデートしたい。
水族館行ったりとか、ランチしたりとか…そうゆうの」
「わかった!」
「え?いいの?」
「若葉が行きたいなら、どこでも連れてく」
「いつ行ける?」
「んー、団!」

「ちょっと待って!予定を調べるから」
団がスケジュールを確認する。
「………あ、琉軌!ちょっと…!」
「ん。若葉、待っててね!」
チュッと口唇に軽くキスをして、キッチンにいる団の元へ向かう琉軌。

何やら二人で話し合い、戻ってきた。
「来週の土曜日、行けそうだよ!」
「ほんと?」
「うん、ただ申し訳ないんだけど、デートの合間に二・三時間位抜けることになるけど……いい?」
「わかった!そのくらい、我慢する」

「ありがと!若葉はほんと、可愛くて俺にはもったいない恋人だよ!
愛してるよ…!」
「忙しいのに、ごめんね…ワガママ言って……」

「ううん。もっと…甘えて?
若葉といる時は、ずっと甘えられたい。
そしたら、ずっとくっついていられる……」

また自然と口唇が重なり、深くなった。
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