ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
「ごめんって!てか、オレが女の子大好きってどういうこと!?」
「え、だって小学校のころから女友達多かったじゃん……」
「そ、それは単に話すだけで……と、とにかく!オレはべつに女遊びしたいとか、女好きってわけじゃねーの!」
「そうなの?」
「そうなんだよ!てかオレ好きな子にはめっっっちゃ一途だし!」
おお!土方くん言ったああああ!
「そうなの?てか好きな子いたんだ?」
グサッ。
「話しやすいし、見た目もカッコイイほうなのに。告白はしないの?」
「お、オレが告白してもいいの?」
「え、うん……てかなんで私に聞くの?」
グサッ。
「……」
「……」
「お、オレのこと、恋愛対象に見てくれてないんだよ……」
なんでオレ、好きな子に恋愛相談してんの……なんて、渚や私にしか聞こえないくらい小さい声でつぶやいた土方くん。
もう今にも涙落ちそう……。
「へー、こんな一途に想われてるのに。その子も鈍感だねえ」
土方のこと、好きにならない女子とかいるんだ。
「……」
グサグサグサッ!!
「ううっ……」
那咲……もうやめたげて。
土方くん、蹲っちゃった……。
もう土方くんのHPは-100だよ……。
「森山……」
あの渚ですら土方くんに哀れみの目を向けてる。
す、救いようがない……。
もう腹括って、覚悟決めて、告白するのが一番意識してもらえる方法なんじゃないかと思う。
「え、みんなそれどういう顔?
てか土方大丈夫?保健室行く?」
「看病してもらいたい……」
きっとその言葉の後ろには、那咲に、が入るのかな。
がんばれ、土方くん。
あきらめるな、土方くん!