ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
もう一度ぬれたまぶたに落ちてきた口づけ。
こつんとぶつかるおでこと。
「むぎがしてほしいこと、俺にぜんぶ教えてよ」
心を揺さぶられるほどの甘い声と、愛おしいと細められた瞳。
「……せて、」
「うん?」
「ぬが、せて、」
「ん、よく言えたな」
汗ではりついた前髪をかき分けられて、ふわっとおでこにキスが落ちてくる。
「脱がすよ」
抱き起こされて、プツッとリボンが落ちて。
ゆっくりゆっくりボタンが外されていく。
そして。
「み、見ないで……っ」
「やだ。見る」
するりとシャツが腕から落ちて、キャミソールにスカートという格好。
「やぁ……そんな、見ないで、」
はずかしくて滲んだ視界の向こうで、漆黒の瞳がじ
っとこっちを見ている気がする。
「……」
「ねぇ、もうっ、なぎ、さ……っ」
いつまで、見てるの……っ。
「っ……くっそ、」
「っ、ぁ……な、ぎ、」
ぎゅっと目の前のシャツを握ったとたん、少し強引な力で引き寄せられて。
「はぁ……かわい、なんでこんなかわいいの……」
「なぎ、さ……?」
「ごめん、あんまりかわいいから、見とれてた。
不安にさせて、ごめん、」
「ううん……っ」
ポンポンって頭をなでられて、つむじにキスが落とされて、高ぶっていた気持ちが少し落ちついていく。
「続き、してもいい?」
「うん……」
「ん、ありがとう。大好き」
軽くふれるだけのキスが落ちてきて、そっと目元をぬぐってくれる。
「もう一回、口あけて……」
「あっ、」
「ん?」
「まっ、まって、」
そっと体を倒されそうになって、慌てて渚の胸を押し返す。
「どうした?ちょっと、怖くなった?」
「ううん、そうじゃ、なくて、」
そっと手を包まれた手の甲にまでキスが落ちてくる。
こんなに甘やかされて、全身で愛を伝えてくれる渚のこと、怖いなんて思うわけない。
一生思うことなんてない。
私がしてほしいのは……。
「渚も……」
「え?」
「渚も、ぬい、で……」
「えっ!?」
「いっしょに、ぎゅって、したい……」
「っ〜〜!!」
「渚?」