俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 ドアの前に着きインターホンを鳴らす。ガチャリと鍵を開けドアを開いてくれたのは姫咲ではなく担当編集者の広志さんだ。

「隆一さん、いらっしゃい。先生が中でお待ちです」

 いつも通り覇気のないひょろったした声で出迎えてくれる。

「あ、広志さん、こちら来週籍を入れて俺の妻になる美桜です」

 緊張して少し震えている美桜の肩を抱き寄せる。

「あの、斉藤美桜と申します。今日は突然お邪魔してしまってすいません」

「大丈夫ですよ。さぁ中に入って下さい」

 はぁ……ついに姫咲と美桜の対面が訪れてしまった。ゴクリと唾を飲み込みリビングに足をすすめる。
 ガチャリとリビングのドアを開けるといつも通り中学時代のボロジャージにお団子頭の姫咲がパソコンに向かって鬼の形相をしている。お、恐ろしい……

「ん? 隆一来たのー? やだっ! 貴女が美桜ちゃん!? やだー! 小さくて可愛いっ、リスみたい〜」

「あ、あのっ、そのっ、斉藤美桜と申しますっ!」

「うんうん、隆一から聞いてるよ〜、来週籍入れるんだってね! こんな可愛い妹が出来るなんて最高すぎるわ〜」

 姫咲がライオンなら美桜はリス。肉食動物に迫られてる小動物みたいな絵図になっている。
< 131 / 186 >

この作品をシェア

pagetop