すべてが始まる夜に
「でも茉里の顔見てたらほんとに幸せなのが伝わってくるよ。やっと彼氏ができたんだね、私もうれしい!」
「私もめちゃうれしいです!」
葉子と若菜ちゃんの笑顔に、私も「ありがとう」と笑顔を向けた。
「でも、若菜ちゃん、あいつ、絶対泣くね」
「絶対、いや200%泣きますね」
「いつ気づくかな?」
「多分……半分気づいてるような気がします」
「えっ? マジで?」
葉子と若菜ちゃんが何やら話しているけれど、何のことだかさっぱりわからない。
「ねぇねぇ、何の話?」
「幸せな茉里は知らなくていいこと!」
葉子と若菜ちゃんは私には何も教えてくれず、顔を見合わせて含み笑いをしていた。
「それよりさ、ちょっと聞いて。さっきショックなこと聞いたの……」
葉子はうどんを箸で掴みながら、大きな溜息を吐いた。
「葉子さん、どうしたんですか? ショックなことって?」
「午前中にね、松永部長が経理部に来てたの。なんかセンスのいい淡いピンクのネクタイしてね」
部長の名前が出た途端、胸の奥でドクンと大きな音が鳴り響く。
これから葉子は何の話をするんだろう……。
ドキドキが止まらない。
「私もめちゃうれしいです!」
葉子と若菜ちゃんの笑顔に、私も「ありがとう」と笑顔を向けた。
「でも、若菜ちゃん、あいつ、絶対泣くね」
「絶対、いや200%泣きますね」
「いつ気づくかな?」
「多分……半分気づいてるような気がします」
「えっ? マジで?」
葉子と若菜ちゃんが何やら話しているけれど、何のことだかさっぱりわからない。
「ねぇねぇ、何の話?」
「幸せな茉里は知らなくていいこと!」
葉子と若菜ちゃんは私には何も教えてくれず、顔を見合わせて含み笑いをしていた。
「それよりさ、ちょっと聞いて。さっきショックなこと聞いたの……」
葉子はうどんを箸で掴みながら、大きな溜息を吐いた。
「葉子さん、どうしたんですか? ショックなことって?」
「午前中にね、松永部長が経理部に来てたの。なんかセンスのいい淡いピンクのネクタイしてね」
部長の名前が出た途端、胸の奥でドクンと大きな音が鳴り響く。
これから葉子は何の話をするんだろう……。
ドキドキが止まらない。