すべてが始まる夜に
*
夕方5時を過ぎると、フロアにいる社員たちがそわそわとし始め、女性社員たちは入れ替わり立ち替わり、メイク道具を持って化粧室へと向かっていた。
「茉里さん、今日は葉子さんと3人で二次会行きませんか?」
ちょうど来週の仕事の段取りをひと通り終えたところで、若菜ちゃんが隣から声をかけてきた。
「3人で? 多分1時間くらいしか行けないけど、それでもいいかな?」
「いいですけど、もしかして彼氏さんが待ってるんですか?」
「そ、そんなことはないんだけど……」
葉子と若菜ちゃんと3人での二次会なら、おそらく部長は「楽しんでおいで」って言ってくれそうだけど、あまり遅く帰るのも気が引けてしまう。
「茉里さん、もしよかったら彼氏さんも一緒に呼んじゃったらどうですか?」
「えっ?」
「私、茉里さんを溺愛してる彼氏さんに会ってみたいです」
「か、彼は仕事が忙しいから……」
私は大きく首を振ると、急いでパソコンの電源を切って、椅子から立ち上がった。
10階の社食フロアに上がると、いつものランチの時のテーブルと配置が変わり、立食パーティー用に並べ替えられていた。
テーブルの上には、たくさんのビールやソフトドリンク、オードブルやデザート、フルーツなどが置かれている。
ほぼ全員が揃ったところで、代表で水島部長が挨拶をして、新年会が始まった。
テーブルに置いてあったビールがあっという間に無くなり、社食のスタッフの人たちが急いで補充をしている。
部長を見ると、水島部長や他の部長たちと一緒に楽しそうに歓談していて、その周りには下っ端の社員たちがビール瓶を持って、部長たちに注いでまわっていた。
夕方5時を過ぎると、フロアにいる社員たちがそわそわとし始め、女性社員たちは入れ替わり立ち替わり、メイク道具を持って化粧室へと向かっていた。
「茉里さん、今日は葉子さんと3人で二次会行きませんか?」
ちょうど来週の仕事の段取りをひと通り終えたところで、若菜ちゃんが隣から声をかけてきた。
「3人で? 多分1時間くらいしか行けないけど、それでもいいかな?」
「いいですけど、もしかして彼氏さんが待ってるんですか?」
「そ、そんなことはないんだけど……」
葉子と若菜ちゃんと3人での二次会なら、おそらく部長は「楽しんでおいで」って言ってくれそうだけど、あまり遅く帰るのも気が引けてしまう。
「茉里さん、もしよかったら彼氏さんも一緒に呼んじゃったらどうですか?」
「えっ?」
「私、茉里さんを溺愛してる彼氏さんに会ってみたいです」
「か、彼は仕事が忙しいから……」
私は大きく首を振ると、急いでパソコンの電源を切って、椅子から立ち上がった。
10階の社食フロアに上がると、いつものランチの時のテーブルと配置が変わり、立食パーティー用に並べ替えられていた。
テーブルの上には、たくさんのビールやソフトドリンク、オードブルやデザート、フルーツなどが置かれている。
ほぼ全員が揃ったところで、代表で水島部長が挨拶をして、新年会が始まった。
テーブルに置いてあったビールがあっという間に無くなり、社食のスタッフの人たちが急いで補充をしている。
部長を見ると、水島部長や他の部長たちと一緒に楽しそうに歓談していて、その周りには下っ端の社員たちがビール瓶を持って、部長たちに注いでまわっていた。