すべてが始まる夜に
自分の部屋に戻り、抱えていた布団をベッドの上に置く。カーテンを開けて窓を開けると、眩しい陽射しが部屋の中を照らし始めた。
「こんなにいい天気だと、お布団干しておいた方がいいよね」
たった今、部長の部屋から持って帰ってきた掛け布団と毛布、そして敷布団をベランダに干す。今日の夜はふかふかの布団で眠れそうだ。自然と顔がほころんでしまう。
「お布団も干したことだし、おうどんを作らなきゃっ」
そう独り言を呟きながら洗面所に行き、手を洗いつつ目の前の鏡を見ると、メイクがほぼ取れた自分の顔が映っていた。
「うそっ。私、こんな顔して部長と話ししてたの? ほぼすっぴんじゃん! っていうか、お風呂にも入ってないし……」
自分の状態に愕然としながら水を止めてタオルで手を拭く。
「私さっき……、部長には1時間後くらいに持って行くって言ったよね。さっとシャワー浴びてお化粧してからおうどん持って行こう!」
急いでシャワーを浴びて髪の毛をタオルで巻いたままメイクを始める。メイクを終えてタオルを取り髪の毛を乾かすと、私は時計を見ながら片手鍋でうどんを作り始めた。
幸いにも昨日スーパーで買ってきた野菜があるので、きのこや白菜、玉子、冷凍していた油揚げなどを入れて煮込んでいく。そして一人用の土鍋を取り出し、もうひとつのコンロで同じように雑炊を作り始めた。
野菜を細かく刻みながら、うどんが昆布だしなので雑炊は鶏ガラスープを使って味を変えてみる。出来あがったところで最後にネギを散らし、味見をしてみてこれなら大丈夫だろうと頷くと、2つをトレイに乗せて部長の部屋へと向かった。
両手が塞がっているので、こぼさないように気をつけながら肘でインターホンを押す。少ししてドアが開き、部長が出てきた。部長も今の時間でシャワーを浴びたのかスウェットに着替え、前髪が下りている。
スーツでも私服でもないプライベート感満載のスウェット姿の部長に今まで抱いたことない男性としての色気を感じて戸惑っていると、「白石、ほんとに悪いな。中に入って」と部長がトレイを受け取りながらにこやかに微笑んだ。
「こんなにいい天気だと、お布団干しておいた方がいいよね」
たった今、部長の部屋から持って帰ってきた掛け布団と毛布、そして敷布団をベランダに干す。今日の夜はふかふかの布団で眠れそうだ。自然と顔がほころんでしまう。
「お布団も干したことだし、おうどんを作らなきゃっ」
そう独り言を呟きながら洗面所に行き、手を洗いつつ目の前の鏡を見ると、メイクがほぼ取れた自分の顔が映っていた。
「うそっ。私、こんな顔して部長と話ししてたの? ほぼすっぴんじゃん! っていうか、お風呂にも入ってないし……」
自分の状態に愕然としながら水を止めてタオルで手を拭く。
「私さっき……、部長には1時間後くらいに持って行くって言ったよね。さっとシャワー浴びてお化粧してからおうどん持って行こう!」
急いでシャワーを浴びて髪の毛をタオルで巻いたままメイクを始める。メイクを終えてタオルを取り髪の毛を乾かすと、私は時計を見ながら片手鍋でうどんを作り始めた。
幸いにも昨日スーパーで買ってきた野菜があるので、きのこや白菜、玉子、冷凍していた油揚げなどを入れて煮込んでいく。そして一人用の土鍋を取り出し、もうひとつのコンロで同じように雑炊を作り始めた。
野菜を細かく刻みながら、うどんが昆布だしなので雑炊は鶏ガラスープを使って味を変えてみる。出来あがったところで最後にネギを散らし、味見をしてみてこれなら大丈夫だろうと頷くと、2つをトレイに乗せて部長の部屋へと向かった。
両手が塞がっているので、こぼさないように気をつけながら肘でインターホンを押す。少ししてドアが開き、部長が出てきた。部長も今の時間でシャワーを浴びたのかスウェットに着替え、前髪が下りている。
スーツでも私服でもないプライベート感満載のスウェット姿の部長に今まで抱いたことない男性としての色気を感じて戸惑っていると、「白石、ほんとに悪いな。中に入って」と部長がトレイを受け取りながらにこやかに微笑んだ。