キミと迎えた2回目の夏
*2回目の夏*

そして、高校2年になった今も変わらず、キミとこうして一緒にアイスを食べてる。

「ねぇ、どうしてあの時、私にアイスをくれたの?」

私は、ずっと気になっていた。

まだ、話しかけたことも1度もない私にどうしてアイスをくれたんだろうって。

そう尋ねると、なぜか颯太は私から目を逸らし斜め下を向いた。

「それは‥‥‥、隣で梨紗が暑そうにしてたから。だから買って来たんだよ」

「えっ‥‥‥?」

「このアイスなら半分こできると思って」

「私のために?」

そう尋ねると「他に誰がいるんだよ?」と颯太は笑った。

それを聞いて素直に嬉しいと思う自分がいた。

あの時は、たまたま隣にいた私にアイスを渡してくれたと思ってたけど本当はそうじゃなかった。

私のためにわざわざアイスを買って来てくれてたんだ。

アイスで冷えた身体が、ポカポカと温かさに満たされていくようなそんな感じ。

決して、暑くはない。

こんな感情をなんと言い表せたら良いのだろう?
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