ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

 数日後、平日の夜に両家の顔合わせが催された。

 うちの両親は終始緊張していたけど、進藤さんのご両親は、「息子が初めて結婚を希望した女性を逃してなるものか」と思っているらしく、とてもにこやかに応対してくれた。

 ちなみに、ご両親の胸の内は進藤さんがのちに語ったことだ。

 もっと進藤家にとって利益になるような、立派な家柄の娘さんを求めているのではないかと問うと『これ以上、実家の病院を大きくしたいとは思っていないし、今彼らが求めているのは跡継ぎだけだ』と返ってきた。

 たしかに、進藤さんの実家の病院は、日本でも有数の最先端医療を売りにした大病院で、これ以上力をつける必要もない。

 うちの両親はこれ以上の縁談はないと超乗り気で、同居の話もふたつ返事でOKしてしまった。

『いい? 千紗はこのチャンスを逃したら絶対ダメだからね!』

 帰る直前、母に釘を刺されてしまった。

 そんなのわかっている。このぽちゃ子の内面を見て、好きだって言ってくれる人が、この世に何人いるだろう。

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