【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
「いえ、お休み中に失礼いたしました。よい休日を」

 日曜日の昼下がり――仕事の話を終えた直真は一礼し、リビングから出ていった。
 それと入れ違いで妻の美桜が入ってきた。

「瑞生さん、お仕事終わりました?」
「ああ」
「お茶にしますか?」
「頼む」

 優しい妻と双子の子供たちが今の俺の家族だ。
 幸せな光景に目を細め、飽きることなく三人を眺めていた。
 美桜はリビングのテーブルの上に置かれたハンカチに目をとめ、『あら?』と小さい声をあげた。

「瑞生さん。このハンカチ、どうしたんですか?」
「それは――」

 俺が説明しようとすると、子供が泣いた。
 男女の双子で元気が良く、一人泣くともう一人まで泣き出す。
 美桜が『大変』と言って、慌ただしく子供の方へ走って行った。

「家族か」

 泣いた子供を抱きかかえると、美桜は微笑み、俺も微笑み返す。
 今は感傷に浸る時間もない――けれど幸せだ。
 子供たちが眠ったら美桜に昔話をしよう。
 俺が直真を迎えに行く決意をくれた少女の話を――
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