怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
おそらく酒に酔い潰れて記憶を飛ばしてしまったのだろう。
どうやら俺は酔っ払い相手に本気の告白をして、いい返事をもらい浮かれ、彼女を手に入れた気になったらしい。優月の記憶にはひとつも残っていなかったというのに。
でも、だからといって‟酔って覚えていない„なんて理由で済ませるわけにはいかなかった。
このままだと優月は俺以外の男と結婚してしまう。
真面目な彼女のことだ。嫌だと言いながらも結局は母親に従って見合いをしてしまうかもしれない。
なんとかして阻止しなければ……。
もう一度、酔いから覚めた優月に俺の想いを伝えることも考えたが、おそらく昨夜のようにうまくはいかない気がした。
あのときは酒に酔っていたから、きっと俺に流されるように告白の返事をしたのだと思う。本当のところきっと優月は俺に対して特別な感情を抱いていない。
それなのに改めて告白をしても驚かれて終わりだろう。俺の想いには応えてくれないはずだ。
そうなると多少強引にでも確実に優月を手に入れるしかなかった。