怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
内容は離婚の件。
悠正さんが知り合いの女性弁護士を紹介してくれることを瑠奈に伝えていたので、それに対する返事だった。
瑠奈は一晩考えて、やはり弁護士に相談したいと思ったそうだ。さっそくこのことを隣の悠正さんに報告する。
「悠正さん。今、昨日話した友人からメッセージが届いて、離婚のことを弁護士さんに相談したいそうです」
「わかった。それならさっそく家に帰ってから連絡してみよう」
信号が青に変わると、悠正さんがアクセルを踏み込み車がゆっくりと動き出す。
マンションに到着してからリビングのソファに腰を下ろした悠正さんが携帯端末を手に持ち、指で操作してからそれを耳に当てた。
「……出ないな」
端末を耳に当てたまま悠正さんがちらりと壁掛け時計に視線を移す。時刻は午後四時をすぎていた。
さらに数回のコール音のあと、ようやく電話がつながった。シンと静かなリビングに悠正さんの携帯端末の向こうから『もしもし』という女性の声が聞こえる。
「律花? 悠正だけど、今電話しても大丈夫?」
女性弁護士さんの名前は律花さんというらしい。悠正さんが下の名前で気軽に呼ぶほどお互いに親しい間柄なのだろうと一瞬で察する。
その瞬間、なんだか胸がチクリと痛んだのはどうしてだろう……。