怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
病院を出た私たちは悠正さんの運転でマンションに向かう。
彼の愛車は白のセダン。四つの輪がつながるエンブレムは、車にあまり詳しくない私ですら名前を知っているほどの高級車だ。
スタイリッシュな見た目とラグジュアリーな内装。シートは座った瞬間に体を包み込まれるようにフィットして乗り心地がいい。初めて乗せてもらったときは感動してしまった。
「優月。今日は父の見舞いに付き合ってくれてありがとう」
ウインカーを右に出してスムーズに車線変更を済ませた悠正さんが軽くアクセルを踏み込むと、車がぐんと加速する。揺れや振動は少なく、彼の運転する車は滑らかに進んでいく。
助手席に座る私は隣でハンドルを握る悠正さんに視線を向けた。
「いえ、所長がお元気そうでよかったです」
「そうだな。俺も安心した」
治療は順調に進んでいるらしい。けれどその影響で以前よりも痩せてしまった気がする。それでも所長には笑顔があったので大丈夫だろう。
信号が赤に変わり、車がゆっくりと停車した。
私たちの間に会話はなく、しっとりとした洋楽が流れる車内は妙に静かだ。すると、膝の上に置いていたバッグの中から携帯端末の鳴る音が聞こえた。
取り出して確認すると、瑠奈からのメッセージが届いている。