怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
《お母さん、今までずっと優月のことを縛り付けていたわよね。門限を決めたり、外泊を禁止したり。進学先も女子校しか認めなかったし、部活動もアルバイトもさせなかった。それに、弁護士になりたいというあなたの夢も反対して、本当にごめんなさい》
「お母さん……」
《そう謝ったところで今さらもう遅いわよね》
しばらく電話がなかったのでどうしたのだろうと思ったけれど、どうやら母の心境に変化があったらしい。そのきっかけはわからないけれど……。
《お母さん、ずっとこわかったの。お父さんが亡くなったすぐあとにあの誘拐未遂事件が起きて、優月まで失ったらどうしようと思ったら不安でたまらなかった。優月だけはどうしても失いたくなくて、お母さんが守らないとって必死だった》
そんな母の思いにはずっと前から気が付いていた。だから私も母に余計な心配をさせないようにと、母との約束は必ず守ってきた。
《お見合いのことも優月の幸せのためだと思って無理やりにでもお母さんの選んだ人と結婚させようとした。でも、優月はちゃんと自分で大切な人を見つけていたのね。悠正さんのような心から優月を愛して大切にしてくれる素敵な人がそばにいたのに、あなたから悠正さんを紹介されたとき真っ先に別れるよう強く言ったこと、ごめんなさい》
そう言われた瞬間、少しだけ胸が痛んだ。