怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~

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「――やっぱりオムレツもふわふわでとても美味しいですね」

 ひと口食べたとたん、朝の眠気が一気に吹き飛んでいくような気がした。すぐに二口目を頬張り、再びその美味しさに感動する。

 初めてこのカフェでスクランブルエッグを口にしたときに思ったけれど、やはりここの卵料理は絶品だ。いったいどうしたらこんなにふわふわにできるのだろうと考えながら、もぐもぐとオムレツを味わう。

 隠岐先生――改め、悠正さんの結婚の申し出にうなずいてから一カ月ほどが経った昨日、私たちは入籍届を提出して夫婦となった。

 それに合わせて悠正さんが暮らしているマンションに私が越してくる形で同居も始まっている。

 その二日目である今日は、休日にもかかわらずふたりで早起きをしてマンションの近くにあるカフェでモーニングセットを食べていた。

 ここは以前、私たちが一夜を共にしてしまった翌朝に訪れた場所でもあり、私はあれ以来二度目の来店になる。

 あのときはもうこのカフェに来ることはないのだろうと思ったけれど、その約一カ月後に再び訪れることになるとは思いもしなかった。

 しかも憧れの弁護士である悠正さんと結婚までしてしまったのだから驚きである。自分でもまだちょっと受け入れられていないくらいだ。

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