8月25日(後編)
そう言うと店長は出て行った。

って投げやりにも程がある。


新人を教えるなんて、何からどう教えたらいいの?

あ〜こういう時に沢田先輩がいてくれたらな〜…


なんて思っているとドアが開き、初めて見る顔の子が入ってきた。

きっと、いや絶対この子だ。


「曽根、くん?」

ーー曽根飛鳥[そねあすか]

店長から聞いていた名前を呼んでみる。


「はい。あ、もしかして夏目紗良?」

「え…」


何でわたしの名前を?

それもフルネームで。


多分だけど曽根くんとは初めましてのはずなんだけどな。
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