8月25日(後編)
「和子、なんかあったの?」

「そういうわけじゃないんだけど、やっぱりたまに自信はなくすよ」

「…そういうもんだよね」


なんて返事をしたけど、夢を持っていないわたしは、和子の気持ちをわかってあげられなかった。

夢を持てていたら、もっと和子の気持ちに寄り添うことができたのかな。


「でも、こういう雑誌見てたら化粧の研究になるし、やる気は出てくるんだけどね」

とカバンから取り出した雑誌をペラペラとめくる。

「紗良も見てみる?モデルさん、みんな美人だよ〜」

そう言うと、わたしの机の上に雑誌を開いて置く。


その雑誌になんとなく視線を向けてみると…

「すごい…ファッション雑誌ってこんなにキラキラしてるの?」


和子が言ったように、どのモデルさんも綺麗で見入ってしまうけど、わたしが惹きつけられたのは雑誌そのもの。

こういう雑誌に今まで縁がなかったから、手に取ることがなかったけど、これはすごい。


一見小さい文字だらけで見にくそうだけど、読みにくいってわけでもなく…


なんだろう…?

モデルさんを引き立てたこの感じ…。
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