8月25日(後編)
「そんなに気に入ったならあげるよ」

「えっ、いいの?」

「もう何度も目通してるし、もうすぐ新しい号出るからいいよ〜」


和子はそう言うとミラーを取り出しリップを塗り出す。

そんな和子を横目にもう一度雑誌に目を落とす。

「雑誌って夢があるんだね」


どうして今まで手に取らなかったんだろう。


「この機会に紗良も化粧の勉強してみたら?」

「うーん…そう、だね」

化粧というより、今はこの雑誌自体が気になって仕方ないんだけど。


だって、お洒落に無頓着なわたしがこんなにも見入ってしまうんだもん。

ほんとにすごい…!


次から次へとページをめくっていると、1限目のチャイムが鳴った。

これは家に帰ってじっくり見てみよう。

とリュックに直す。


それからの授業は珍しく集中できなかった。

雑誌が気になってソワソワ。

胸はドキドキ、ワクワク…


こんなに何かに興味を持ったのはクラゲ以来だ。
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