陰に埋もれし英雄に花束を
敵国の兵士の姿を見つけ、双子の兄であるアーサー・グランツは双子の妹のジャンヌに焦ったように声をかける。家の近くまで兵士は来ていた。
「アーサー、あの人たちあの家に入ろうとしてる!」
ジャンヌが窓から様子を伺い、目を見開く。アーサーがそれがどうしたんだよ、と言いたげな目を向けると、ジャンヌの顔は真っ青になっていった。
「あの家のお母さん、足が不自由なの!逃げ遅れちゃうのは目に見えてる。あの人たちに捕まったらとんでもないことになるわ!」
「だったらどうしようって言うんだよ……。俺たちだって逃げなきゃまずいんだぞ」
アーサーが早く逃げるぞと急かすも、ジャンヌは壁にかけられた剣を手に取る。そしてアーサーに「先に逃げて」と言った。
「私はあの家の人たちを助ける!アーサーは先に森に逃げて。いつものブナの木の下で待ち合わせね」
アーサーが止める間もなくジャンヌは剣を片手に家から飛び出していく。わざとドアの音を派手に立て、敵の目を自分に向けさせた。
「私が相手よ!!」
ジャンヌがそう言い、剣を相手に振り下ろす。戦火の中、剣のぶつかり合う音だけが響いた。その様子を見てアーサーは舌打ちをする。
「ほっとけばいいのに!どうせ、あの敵を殺しはしないんだろ!」
「アーサー、あの人たちあの家に入ろうとしてる!」
ジャンヌが窓から様子を伺い、目を見開く。アーサーがそれがどうしたんだよ、と言いたげな目を向けると、ジャンヌの顔は真っ青になっていった。
「あの家のお母さん、足が不自由なの!逃げ遅れちゃうのは目に見えてる。あの人たちに捕まったらとんでもないことになるわ!」
「だったらどうしようって言うんだよ……。俺たちだって逃げなきゃまずいんだぞ」
アーサーが早く逃げるぞと急かすも、ジャンヌは壁にかけられた剣を手に取る。そしてアーサーに「先に逃げて」と言った。
「私はあの家の人たちを助ける!アーサーは先に森に逃げて。いつものブナの木の下で待ち合わせね」
アーサーが止める間もなくジャンヌは剣を片手に家から飛び出していく。わざとドアの音を派手に立て、敵の目を自分に向けさせた。
「私が相手よ!!」
ジャンヌがそう言い、剣を相手に振り下ろす。戦火の中、剣のぶつかり合う音だけが響いた。その様子を見てアーサーは舌打ちをする。
「ほっとけばいいのに!どうせ、あの敵を殺しはしないんだろ!」