陰に埋もれし英雄に花束を



それからも、敵国の兵士が攻めてくることがたまにあり、そのたびにジャンヌたち革命軍は平和的な解決ができないのかと模索し、国王に訴える日々が続いた。

アーサーは仲間と真剣に話すジャンヌに胸を締め付けられつつも、自分の命のことを考えて何も言えず、ただ時間だけが過ぎていく。

宗教争いのこと、ジャンヌたち革命軍のことはなるべく耳に入らないようにし、ただ自分が生きられるように食料作りに専念していた。

そんなある日の夜、夕食をアーサーとジャンヌは食べていた。このご時世、明るい話題などあるはずがなく、アーサーとジャンヌは一言も発することなく黙々と味気のない食事を取る。その時、ジャンヌが「ごめん、アーサー」と口を開く。

「国王の軍が私たちに宣戦布告してきた。私たち革命軍と国王の軍隊、戦うことになっちゃった……」

「は?自国の人間同士で戦争かよ。しかもお前、平和的に解決したかったんじゃなかったのか!?」
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