あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『あーー、ここさ、もーちょっと色落としてモーション入れた方がいいね、』

『その辺は雲英に任せる。神室、ちょっとここ聴いて、』

『どこ?…あー、ここか、』


作業が始まった途端

さっきまでの雰囲気は一変して

完全に仕事モードになる3人を、私は何も出来ないまま見つめていた。


『香月、こっち来て、』

「はいっ、」

『これ聴いて、音ズレとかあったら言って。』

『わ、わかりましたっ…。』


薄暗い雪村さんの部屋で

この時私は、ほんの少しだけ、この"グループ"というか

空間に、入れて貰えた気がして

それがすごく嬉しかった。


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