あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『………あ、そういえば、神室と雲英、今日の今から時間ある?』

『なになに、打ち合わせなら電話でしょ?』

『あーばか、そうじゃねぇよ、』


バツが悪そうにな顔をして

雪村さんは忍さんの頭を小突いて

香月、と私の名前を呼んだ。


「は、はい、」

『今日今から、お前ん家の荷物僕ん家に移動させるよ、』

「に、荷物、ですか?」


着替えとか色々あんだろ、と雪村さんに言われたけど

私は曖昧に頷くことしかできなかった。

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