あの日、雪が降っていてよかった。【完】
《あ、あの!》

「は、はい…、」

《すっごく上手でした!…あの、よかったら…、》


見ず知らずの人に話しかけられた動揺と

早くこの場を立ち去りたい気持ちから

視線を泳がすと

これ…、とスマートフォンの画面を見せられた。


《こ、この曲って弾けたりしますか…?》

「……あー…、えっと、」


どうしよう、と考えていると

お願いします!と勢いよく頭を下げられてしまって

私は半ばやけくそに、はい、と返事をした。
< 83 / 557 >

この作品をシェア

pagetop