あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『さっきの、唯ちゃんだったんだねーー、』

「あ、はい。懐かしくて、つい…、」

『懐かしくて…ってことは、昔習ってたの?』

「いえ、習ってたわけではないんですけど…、」


入り浸っていたのが音楽室だったせいというか

逃げ込める場所がそこしかなかったというか、なんというか。


『…………香月、帰ったら大事な話があるから。』

「だ、大事な話、ですか?わ、私荷物まとめて出て行ったほうが…、」

『違う、逆。』


動揺する私に

もう離れたいっつっても離さない、と

雪村さんはにやりと笑って言った。
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