恋する乙女の下着事情
<ホテル・カフェ・リノアの恋愛事情・その5>

「もう!!リノアちゃん、
あなたのほうこそ・・恋愛はどうなのよ?」
高屋敷が、別方向から攻めて来た。

それに動じる様子はなく、
リノアは次のケーキ、モンブランに手をだした。
「彼氏はいらない。
でも子どもは欲しい・・かな」

リノアは門弟の中で一番強い。

過去に付き合った男性は、リノアより自分が弱いとわかると引いていった。

男はプライドが高い。
庇護欲求をくすぐるような相手じゃないと、恋愛対象にはしないからだろう。

<僕が君を守る>・・
なんていうセリフは
リノアの前では吐けないはずだ。

高屋敷は不思議そうに質問をした。
「こどもって?どうして・・?」

リノアはフォークで、モンブランケーキをつついて、崩すようにしてから、
話しを始めた。
「私は今の保育園の前に、道場関係でこどもたちに教えるために、海外まわっていたの。

こどもは「ニンジャ」って喜ぶし、お弟子さんの層を厚くするためにね」
そう言って、
モンブランの栗クリームをフォークですくった。

「でもさ、豊かな国ばっかりじゃないんだよね。
生きていくだけで、大変な子供たちがいてさ。
こどもって小さいのに、大人と同じように扱われて。
親の借金の代わりに売春とか・・
働かされて」


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