10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

「せっかくなら美しい顔が多いところで仕事したいじゃない」

 麻子さんにそう言われて、思いついたのは一人の先生だった。

「や、大和先生も?」

 間違いなく大和先生はイケメンだ。態度が怖かったときも、顔だけはいい、と私も思っていたくらい。

「うん。大和先生は3本の指に入るわね! 私、イケメンを眺めるのが好きなのよー」
「そ、そうなんですね」
「あ、でも大和先生と果歩ちゃん、結婚したのよね。おめでとう!」

「いや、あの……ありがとうございます」

 素直に喜んでいいのかわからなくて、私は思わず目を下に向けた。
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