10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

「それより、それ」

 麻子さんはそう言うと、私の首筋と鎖骨を指さす。「大和先生って独占欲すごいのね。目に毒よ。とくに島原先生なんかにはね」

「島原先生?」
「そんな際どいとこにまでつけて、見せる気満々よね。なにかあった?」

 苦笑して麻子さんは言う。
 最初は何の事かわからなかったけど、麻子さんが指差している場所的にも、大和先生のつけたシルシのことだと思い当たった。

「あ、これ。大和先生みんなついてるって教えてくれたやつで」
「そんなわけないでしょ」

 麻子さんは苦笑して小さくつぶやく。
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