10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

(もしかして、大和先生にそこまでまだ好きって思われてないのかなぁ?)

 そんなことを考えていると麻子さんは続ける。

「でもさ。今日身をもってわかったけど……あの人、果歩ちゃんのこととなるとあんななのね。子どもはかわいいだろうけど……子どもなんてできたら本当に逃げられなくなるわよ?」
「あ、あんなって? 逃げるって何ですか……。別に逃げたいとは思ったことはないですけど」

「まぁ、何にしても……知識あやふやな子にあれはちょっと荷が重いわよね」

 麻子さんはそう言うと、苦笑する。

 さっきから麻子さんの言う事の半分も分からない。首を傾げる私に、麻子さんは微笑み、私の手を取った。
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