10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

 着替えると、足がスースーとして落ち着かない。
 服がかわいくてオシャレすぎて、私は着ているより、着られているような気がする……。

 着替え終わって二人の前に立つと、正真さんがつぶやく。

「って、足もきれい! だけど、そんなの付けてたら、歩いてる男子みんな目に毒だし、違う意味で漏らしちゃうよなぁ」
「そうなのよ……。果歩ちゃんのダンナ、かなりクセモノで」
「だね」

 正真さんと麻子さんは訳の分からない会話を続けている。
 私が首を傾げると、正真さんは苦笑して、

「赤いとこは、これではたいとこ? 少し隠れるし」
と足にパウダーファンデーションをのせてくれる。

(大和先生のシルシのことだ……)

 私が固まっていると、正真さんは私の鎖骨の方に目をやって叫んだ。

「って、こんなとこまで!」
「消える前にまた付けられるから、増えるしかなくて……」

(何かおかしいのだろうか? 先生はこれ普通だって言ってるし、当たり前につけてくるし……)

 考えていると、正真さんは頭を抱えて呟く。

「はぁ、もう。かわいくて清純でウブそうだから余計にそのコントラストがやばいな……」

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