10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
「やっぱりこれくらいちゃんと言うと、わかってもらえるんだってちょっと感動した」
島原先生はいつものように軽い調子でからかうように言う。
でもその内容が、いつもと違って男女のそれで、私は目線をあちらこちらに向けていた。
「ほ、ほんとに、こ、困ります!」
「うん。それが嬉しいって言ったでしょ。少しは僕のことで困って?」
「うぐっ……」
なんだか泣けてきた。
こういうの今までなかったし、恋愛として好きだって言われたのも大和先生だけだったから……戸惑う。戸惑いすぎてなぜか泣ける。