追放されたハズレ聖女はチートな魔導具職人でした
ルベール村はその後数年の間、特に大きな事件が起きることもなく平穏そのものだった。
時折村の中に魔物や凶暴な動物が入り込んでしまうことがあったが、辺境の村ではさほど珍しいことではないし、村人が協力して退治していた。村人の手に余るような魔物はこの周囲には生息していなかった。
まるで時間が止まったような長閑な田舎の光景が繰り返され、しかし子どもたちにはきちんと時間の経過が表れ、成長していく。
レッドとセラフィはいつしか子どもたちの集団ではなく大人たちの集団に属するようになった。そして彼らが抜けた穴には最年少だったココよりも、さらに小さな子供が収まり、子どもたちの集団は維持されていく。
それは辺境の農村の、これまで続いてきた営みの延長だった。おそらく村人の誰もが、これからも変わらない日々が続くと思っていただろう。
ココは少しずつ家の手伝いをするようになり、両親は新しく生まれた弟の面倒も彼女に任せるようになった。
「おねえちゃんだよ~~」
畑に出ている両親の代わりにおしめを替え、空いた時間で母親の内職である裁縫も覚えた。特に気に入っていたのは刺繍で、小川で拾ってきた光る石を埋め込んでハンカチを作ったりもした。
弟のよだれかけも、ココが作ったものだ。
「ココは手先が器用だなぁ。きっと色んな家から、お嫁さんに来てほしいって言われるぞ」
「えへへ……」
時折村の中に魔物や凶暴な動物が入り込んでしまうことがあったが、辺境の村ではさほど珍しいことではないし、村人が協力して退治していた。村人の手に余るような魔物はこの周囲には生息していなかった。
まるで時間が止まったような長閑な田舎の光景が繰り返され、しかし子どもたちにはきちんと時間の経過が表れ、成長していく。
レッドとセラフィはいつしか子どもたちの集団ではなく大人たちの集団に属するようになった。そして彼らが抜けた穴には最年少だったココよりも、さらに小さな子供が収まり、子どもたちの集団は維持されていく。
それは辺境の農村の、これまで続いてきた営みの延長だった。おそらく村人の誰もが、これからも変わらない日々が続くと思っていただろう。
ココは少しずつ家の手伝いをするようになり、両親は新しく生まれた弟の面倒も彼女に任せるようになった。
「おねえちゃんだよ~~」
畑に出ている両親の代わりにおしめを替え、空いた時間で母親の内職である裁縫も覚えた。特に気に入っていたのは刺繍で、小川で拾ってきた光る石を埋め込んでハンカチを作ったりもした。
弟のよだれかけも、ココが作ったものだ。
「ココは手先が器用だなぁ。きっと色んな家から、お嫁さんに来てほしいって言われるぞ」
「えへへ……」