花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
薬師になるには魔力を持っていることが最低条件。
魔力は火、水、土など様々あるが、その中でも主に治癒を司る光の魔力を持っているとより良いとされていて、エミリーも父と同じ光魔法を有している。
自分も一緒になって魔法薬を作れば、家計も潤う。
そのためには製造と販売の資格を得なくてはいけなく、資格はエトリックスクールで二年間の教育課程を終了し、最終試験に合格することでやっと手にできる。
御者は自分のそばへやってきたエミリーへと、慎重に外した腕輪を差し出した。すぐにエミリーは受け取ったそれを自分の手首へと通す。
腕輪は、エミリーの手首よりも大きいものだったが、やがて装飾の一部として嵌め込まれていた魔石がきらりと輝く。
すると平台の上、魔法薬の傍に並べ置かれた自立式のプレートが淡く光を放つ。
ほどなくして、腕輪はしゅるしゅると音を立てながらエミリーの手首にちょうど良い大きさまで縮んでいった。
手のひらサイズのプレートには値段と製造者のサインが刻み込まれている。
このサインが魔法薬の製造者はバリー・メイルランドであるという確固たる証となり、これがないと販売はできない。