花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!


「そうは言っても、エスメラルダはまだ学生です」

「学生だからなんだ。ロレッタ様がいない今、次期大聖女なら先陣を切って指示を出すような気概を見せてみろ!」

「レオン様が獣犬を追い払ってくれていたからここまで凌いでこれたと言うのに、お前の不用意なひと言で怒ってどこかに行ってしまわれたじゃないか! その後、獣犬一匹に襲われ、この有様だ。どうしてくれる!」


エスメラルダはエミリーもよく知っている不満たっぷりな顔で、聖女院の上役たちへと反論する。


「私はただ、事実を言ったまでですわ。レオン様の花嫁となるのはこの私ですと。エミリーなど早く忘れるべきでしょう? なぜ私が怒られなくてはならないのよ」


花嫁というひと言に反応して、エミリーはレオンへと顔を向ける。レオンはうんざりした顔で肩を竦めてみせた。


「そんな事より大聖樹の心配をしろ! 大聖樹が獣に深く傷つけられたら全て終わりだぞ」

「騎士団員は当てにならん! また獣が壁を乗り越えて入ってくる前にレオン様を連れ戻して来い!」


エスメラルダを厳しく責め立てる上役たちに続くように、レオンが声をかけた。

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