花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!


「俺ならここにいるぞ」

「レオン様! 戻ってきてくださったのですね……う、嘘」

「エ、エミリー・メイルランド! そんな馬鹿な、死んだはずじゃ!」


嬉しそうに振り返ったエスメラルダはエミリーに気づき顔を青ざめさせ、同様にカルバード学長も唖然とした様子で立ち尽くす。

エミリーはそっとレオンの手を離し、大聖樹の元へ向かってゆっくりと歩き出す。


「おい! なんだこの娘は、摘み出せ!」


聖女院の上役に命じられ、若い騎士団員たちは気力を振り絞って立ち上がる。

エミリーの行く手を塞ぐように立ちはだかったが、守るように出てきたレオンと対峙することとなり、「レオン様」と泣きそうな声を発する。

レオンは自分のすぐそばに控えているフィデル派の騎士団員へと、「そいつらを捕らえておけ」と短く命じる。

すぐに動き出した彼らによって聖女院の上役たちは捕えられ、あっという間に後ろ手に縛り上げられた。

エミリーはそっとレオンの肩に触れつつ、彼の前へと進み出る。

剣を下ろし敵意のない若い騎士団員たちの元へと歩み寄り、「休んでいてください」と微笑みと共に手をかざす。

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