花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

温かな光に包み込まれて自分たちの傷が癒えていくのを感じ、若い騎士団員たちは息をのんだ。


「その娘をそれ以上先へ進ませるんじゃない!」


しかし、突然響いたロレッタの声に現実へと引き戻されるように、彼らはハッと顔を強張らせた。

振り返ったエミリーの目に、フィデル副団長に捕らえられているロレッタの姿が映り込む。

ロレッタだけじゃなく、刺客の男に騎士団長までもきっちり縛り上げられている。

若い騎士団員三人はロレッタたちから己の体へと視線を落とし、そして最後に目の前に立つエミリーを真っ直ぐ見つめる。

三人は顔を見合わせて頷き合った後、エミリーへ道を空けるように脇へと後退した。


「エスメラルダ!」


ロレッタは苛立ちを隠すことなく孫にも呼びかける。

エスメラルダは敵意を露わに向かっていくが、ちらりと目が合った瞬間、エミリーの体が光り輝き出し、それ以上近づけなくなる。

魔力に圧倒され敵わないと悟ったエスメラルダは、打ちのめされるようにその場に崩れ落ちた。

大聖樹の前へと辿りついたエミリーは、祈りを捧げるよう両手を組み、見る影もないその姿を見上げる。

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