花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「苦しかったわね。来るのが遅くなってごめんなさい」
優しく声をかけ、そっと目を閉じる。
するとエミリーがその身に纏う眩さが強まり、まるで光り輝く繭へのようへと変化していった。
光の繭は一気に膨らみ、放出するように光の粒子が放たれた。
光の波動で瘴気が押し流されていく。
レオンはあまりの眩しさに目を瞑ることを余儀なくされ、そしてゆっくりと目を開ければもうそこは清浄さに満ち溢れた場となっていた。
大聖樹だけはまだ光に包み込まれている。
しなっていた枝は天へと向かって伸び、付着していた胞子も消え、徐々に力を取り戻していく。
ふうっとエミリーは息を吐き、目を開けて大聖樹を見上げた。
そしてもう一歩近づいて、木の幹に触れる。
「もう大丈夫ね。後は時間をかけてゆっくり癒していきましょう」
エミリーへと注目が集まり静まり返ったその場に、人々の心に浮かんでいる言葉を代弁するかのように小さな声音が響いた。
「大聖女様」
それに反応し、エミリーは勢いよく振り返る。
フィデル副団長や騎士団員がロレッタたちを押さえつけているその横に、国王陛下とお妃様、そしてオレリアまでが並んで立っているのに気がついた途端、エミリーは慌てて膝を折って礼儀正しく挨拶した。