花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「オレリアに聞いて、やっと目が覚めた」
国王が後悔を滲ませながら思いを口にする。
「国王陛下! その女の言うことを聞いてはなりません。すべて嘘偽りです」
「黙れ、ロレッタ! オレリアの言葉だけでなく、彼女の力を目の当たりにして本物と偽りを判断できぬほど、私は愚か者ではない」
国王陛下は訴えを一蹴し、そしてロレッタの目の前へと進み出た。
「ロレッタ・ヘイズ。今ここで貴公の大聖女としての任を解く。今までご苦労だった」
下された言葉にロレッタは「ひっ」と声を詰まらせ、そして「国王陛下、待ってください」と縋りつきたくてもがき出す。
国王はフィデル副団長に容赦なく地面へ押さえつけられたロレッタに背を向けて、今度は大聖樹のそばにいるエミリーへと歩み寄っていく。
もちろんエミリーも国王陛下の元まで慌てて進み出て、敬意を示すようにその場に両膝をつき、胸元で両手を組んで頭を垂れる。
先の言葉から国王陛下を謀ったことへの誤解は解けたかもしれない。
しかし、王妃のブレスレットを盗んだ罪に関してはまだだ。
この場でしっかりと無実であることを申し出なくてはと考えるエミリーへと、国王陛下が告げた。