俺が好きなのは､世界一可愛い君

「ごめんね。私は七海　怜香。怜ちゃんとか怜香って呼んでね。」



しどろもどろになりながら､のほほんとして言う彼女に僕は､
「じゃあ僕も､楓って呼び捨てでいいよ」
と答えた。



怜香､と呼ぶには､クラスの女子にはない気恥ずかしさがあったので、結局､怜ちゃんと呼ぶことにした。



ずっと蚊帳の外状態だったお父さんも、お母さんと談笑し始めていたので、僕たちもたまにお菓子を食べながら、同じようにして過ごした。



「そろそろ帰ろうか」



気付けば2時間程たち、お父さんは優しい目をして言った。



すると、怜ちゃんはバイバイと、声を掛けてくれた。



またね､とは言われなかったので、代わりに僕がそう口にすると、心底驚いた顔をした

。