俺が好きなのは、世界一可愛い君
私ね? あの頃にはもう、いっくんのこと大好きだったんだよ?



お店を出てすぐ、少し歩いたところで歩みを止める。



いっくんは私が急にこんなことをしても怒ったりせず、
「どうした?」
って優しく聞いてくれる。



だからそれに甘えて、1つお願い事をする。



「いっくん……キスして?」



いっくんは眉を寄せる。



でも、それが怒ってるからじゃないことを私は知っている。



いっくんが眉を寄せる時は、困ったときか、照れたとき。



それを知っている私は目を閉じていっくんをまつ。



いっくんは、外だということを気にして、少し控えめなキスを落とした。

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