幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 道はやや混んでいたので、家まで30分ほどかかった。 

 でも、話に夢中になっていたので、あっという間に感じた。

「送っていただいてありがとうございました。でも、先生、飲めなかったですね。おいしかったですよ。あの『幻』というお酒。あんなおいしい日本酒ははじめてでした」

 高柳先生はいいや、と言いながら微笑んだ。

「シラフで話がしたかったんだ。でもきみに話せて良かった。少し気持ちが晴れたよ。あきらめちゃいけないって思えたし」

「そう言っていただけると、嬉しいです。少しはお役に立てたのなら」

「情けないだろう? 仕事以外のことになると、まるっきりだらしがなくなってしまって。このまま、ずるずると親の言いなりになってはいけないと思ってはいたけど。
 でも、誰かに背中を押してほしかったんだ」
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