幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 たしかアリサとわたしは同い年のはず。

ーー唯一、おれを叱ってくれる人

 どんな人が好きなのって聞いたときの、璃音の言葉が甦る。

 うん。彼女なら平気で璃音を叱りつけそうだし。

 微笑みを交わすふたりを見ていたら、そんな気がしてきた。


 じゃあ、わたしみたいな平凡なただの一般人が太刀打ちできるわけがない。

 ああ、そうか……

 わたしの家にいるとき、璃音はアリサを思いながら、壁ドンしたり、思わせぶりな視線を投げて、わたしをドギマギさせていたのか。

 そう気づいて、それ以上ふたりを観ているのが辛くなったわたしは、リモコンを押してチャンネルを変えた。
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