幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 先生はちょっと困った顔をした。
 照れているというわけではなく、本当に当惑している表情だ。

「もう知ってたのか」
「朝イチで、神田さんから伺いました」
「ああ、母経由だな」

 神田さんは高柳先生のお母さんのツテで生保会社を退職後、ここで働いている人だった。

「父の意向でどうしても断れなくてね」

 そう言う先生の顔はあまり嬉しそうではなかった。
 それどころか、物思いに沈んでいるような。
 ん? どうしたんだろう、先生……

 なんて声をかけていいのかわからないまま、わたしはその場で先生の言葉を待っていた。

 そのとき、電話が鳴った。

「会議室にクライアントがお見えだそうです」
 
 その声に先生は「わかった」と言い、それから慌てて出ていった。
 
 気がかりは晴れなかったけれど、パソコンを立ち上げ、わたしも仕事にかかった。
 
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