幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
「なにか先約があるのかな?」
「い、いえ。大丈夫です」

 ちょっとだけ、璃音のことが気になったけど……

 でも、別に彼氏でも旦那でもないんだから、家で待ってなくてもいいよね。

 こんな機会逃したら、後悔するに決まってるし。

 何しろ、先生とふたりのディナーは、この事務所に入所して以来のわたしの“大いなる野望”。

 それがやっと叶うんだから。

 そりゃまあ、本当は先生が婚約される前が良かったけど。

「じゃあ、店、見繕っておくよ」

 先生はにっこり笑って、そう言った。

 
 何か話があるのかな?

 今朝の先生らしからぬ、煮え切らない表情が浮かんできた。

 ま、まさかの告白だったりして⁉︎

 やっぱりきみが好きだ、とか。

 きゃー⁉︎

 って、そんな、サヨナラ満塁ホームランみたいなこと、あるわけないって。
 

 ないない、と否定しながらも、その日は帰るまでソワソワして、仕事に集中できなかった。
 
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