幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
 白木のカウンター席に並んで、次々と供される、目にも艶やかな季節料理を堪能した。

「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです。どのお料理も手間をかけて作られていて」

「そう、気に入ってくれたのなら、良かった」

 食事の最中、高柳先生はいつもとまったく変わらない様子で、話題も仕事のことに終始した。

 ほら、やっぱわたしの単なる思い過ごしだった。
 何か、特別な話があるんじゃないか、なんて。

「実は、今回は示談に持ち込めないかと思っていたんだ。原告がかなり強硬な態度で臨んでいたんでね」

「やっぱり、あの手の相談の解決法としては示談がいいんですか?」

「そうだね。なるべく裁判に持ち込まないようにするよ。敗訴になれば、訴えられたほうのダメージが大きいから」

 そういえば、今回の訴訟、芸能人の密会のスクープ写真の件だったっけ。

 あきらかに住居内に侵入して撮った写真だったから、所属事務所も堪忍袋の尾が切れて、絶対に訴えるって息巻いていたらしいけど、さすが先生。

 実質、勝訴と言ってもいい結果だと思う。
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