わんこ系男子と甘々な日常


「大袈裟にしたって優しくしてあげないんだから」

「えー、先輩の意地悪!」

「今に始まったことじゃないでしょ?」

「うぅ、言われてみれば前からたまに意地悪だったかも……」

「蒼空くんが可愛いからいじめたくなるんだよ」


私が主導権を握ったまま軽快に繰り広げられていく会話。


蒼空くんの大きめなリアクション。
蒼空くんと作る二人の空気感。


隣から空気を伝ってほんのり私に触れてくる蒼空くんの温度。


静かな図書室の趣を壊してしまう私たち。


それが懐かしくて、嬉しくて。
つい、ぽろっと”可愛い”って言ってしまった。


”しまった”と思ったときには既に蒼空くんの耳に届いていたらしく。
蒼空くんはゆらゆらと楽しく動いていた身体をぴたっと止め、


「かわいい……?」


ぼそりと低めの声を出した。


……間違いなく蒼空くんは調子に乗って私に飛びついてくる。
私が可愛がっているとわかると、嬉しくて抱きしめてくるまでがお決まりのパターンだから。


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