わんこ系男子と甘々な日常
とりあえずこっちを向いてもらわないと話は進まない。
そう思って大きな丸まった背中をつつくと……
「蒼空くん───」
─────カラッ
私の邪魔をするかのようなタイミングで扉が開いた。
それから現れたのは黒髪のボブが似合う可愛らしい女の子。
着ている制服はまだしわがついていなくて、新しいことがわかる。
蒼空くんと同じぴちぴちの新入生だ。
重めの前髪からのぞく瞳がこちらに向けられ、微妙に私からずれたところ……蒼空くんの姿を捕えて女の子は顔を輝かせる。
さらに女の子が蒼空くんに小さく手を振るところを目にしたとき、私はなんとなく敗北感を覚えた。
「あれ、蒼空くん?図書室に来るなんて意外だね!」
「あ……えっと……同じクラス、だよね?一年生で図書室に来る人がいるとは思わなかった」
「あははっ!それを言うなら蒼空くんだって一年生じゃん~!みんなが噂してるとおり、蒼空くんって面白いね!」
「そう~?でも、褒められて悪い気はしない!ありがとね!……って、噂?なになに?」