わんこ系男子と甘々な日常
二人は私をそっちのけで会話に花を咲かせ始める。
特に、女の子の方は初めから私なんか見えてないみたいだ。
いかにも『蒼空くんしか見えてません』って感じに蒼空くんから視線を外さない。
入学してからこんなにも早く女の子を虜にしちゃう蒼空くんはやっぱり罪深い子だと改めて思った。
「"波柴蒼空はイケメンだけど絡みやすくて面白い、見た目よし性格よしの癒し系男子だ"っていう噂だよ!」
「えぇ……それ、ほんとに俺のことなの?一個も合ってない気がする……」
「そうかな?私は全部当てはまってると思うよ?大丈夫、自信もって!」
ぎゅっと蒼空くんの制服の袖口を掴む女の子。
あざとく顔を傾け、下から見上げるその行動は可愛らしく……私には到底真似できない。
『まだ出会ったばかりのあなたが、蒼空くんのことをわかったような気にならないで』
そんな心の狭いことを思ってしまう私は一生可愛くなれないんだろう。