彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
佳太くんは私のためにいろいろなことをしてくれた。


一緒に水やりをしてくれた。


沢山励ましてくれた。


A組の教室にいられるように応援してくれた。


クラスメートの一覧表を作ってくれた。


それなのに私はまだなにも返すことができていない。


それなら、敬語をやめることくらい、どうってことはないはずだ。


「わ、わかりま……わかった」


しどろもどろになりながら言うと、佳太くんの手が私の頭をぽんぽんとなでた。


いつか、花壇でもやってくれたことだ。


「じゃあ、俺はこっちだから」


分かれ道で立ち止まり、佳太くんは大学へ行く道へと歩いていく。


「あ、ありがとう! また明日ね!」


大きな声でいうと、佳太くんは振り向いて大きく手を振ってくれたのだった。
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