白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
アイリはいつもロゼリエッタを心配してくれている。だから今も、人払いをして会うにしても姿を先に見せるのが道理ではないのかと思っているのだろう。何度も通されたことのある場所ならまだしも、初めて案内された場所なのだからなおさらだ。
だけど、王女付きの侍女と思しき相手にあからさまに不満を顕わにするのは褒められたことではない。ロゼリエッタはやんわりと宥めた。
まがりなりにも城内である。もしレミリアの侍女を騙っているのだとしても、この場で起こせるようなことは限られているだろう。それに彼女は、父と兄の前ではっきりとレミリアの名を出した。この部屋に来るまでの間だって人目のつく場所を通って来ている。後ろ暗いところがあるようには思えなかった。
「レミリア殿下、ロゼリエッタ様をご案内致しました」
「どうぞ、入って」
侍女はアイリの態度を気にした様子もなく、扉をノックをした。用件を伝えれば、扉越しにレミリアの声が返って来る。
アイリもようやく警戒心を解いたようだ。けれど今度はレミリアと対面することを心配した表情でロゼリエッタを見つめる。
ロゼリエッタは大丈夫だと頷き返した。
正直な気持ちを言えば、レミリアには会いたくなかった。今だって何を話したらいいのか分からないし、今になって何を話したいと思われているのかも分からない。
スタンレー公爵は、レミリアとクロードに隣国のスパイ疑惑があると言っていた。その真偽を問い質す心づもりも全くない。真実がどこにあったって、ロゼリエッタが関わることはない話だ。
だけど、王女付きの侍女と思しき相手にあからさまに不満を顕わにするのは褒められたことではない。ロゼリエッタはやんわりと宥めた。
まがりなりにも城内である。もしレミリアの侍女を騙っているのだとしても、この場で起こせるようなことは限られているだろう。それに彼女は、父と兄の前ではっきりとレミリアの名を出した。この部屋に来るまでの間だって人目のつく場所を通って来ている。後ろ暗いところがあるようには思えなかった。
「レミリア殿下、ロゼリエッタ様をご案内致しました」
「どうぞ、入って」
侍女はアイリの態度を気にした様子もなく、扉をノックをした。用件を伝えれば、扉越しにレミリアの声が返って来る。
アイリもようやく警戒心を解いたようだ。けれど今度はレミリアと対面することを心配した表情でロゼリエッタを見つめる。
ロゼリエッタは大丈夫だと頷き返した。
正直な気持ちを言えば、レミリアには会いたくなかった。今だって何を話したらいいのか分からないし、今になって何を話したいと思われているのかも分からない。
スタンレー公爵は、レミリアとクロードに隣国のスパイ疑惑があると言っていた。その真偽を問い質す心づもりも全くない。真実がどこにあったって、ロゼリエッタが関わることはない話だ。